多職種で向き合う利用者・家族のQOD(1)
- 北村恵子
- 2023年7月19日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年12月4日
浅井東診療所 看護師
認知症ケア上級専門士/終末期ケア専門士
北村恵子

※本記事は日総研の季刊誌『認知症ケア』2021年夏号掲載記事を一部改変したものです。
2020年の出生数は87万人,死亡数は138万人,人口の自然減少数は51万人を突破し,日本は本格的な「少産多死社会」を迎えていると言えます。
平均寿命が延び,健康寿命との差が見られる中で,高齢者の要介護期間は長くなっています。認知症高齢者の数も増え続ける中,高齢者がどのような「死」を迎えるのかは,高齢期をどう生きるかと表裏一体で,「生き方」と「逝き方」を併せて考えることが必須の時代になってきたのではないでしょうか。
近年,QOD(死の質)という言葉をよく耳にするようになってきました。QOL(生活の質)の考え方が人生の終末期にも広がったことで,QODという考え方が生まれたのです。
誰もが毎日を理想的に生きていくことを目指していますが,「死」に関しても理想的な死があります。
しかし認知症高齢者の場合,認知機能の低下に伴い,自らの「死」をどのように迎えたいかという意思を伝えられないことも少なくありません。本人の意思の反映が困難なケースを見受けることも多く,認知症高齢者のQODを高めるためには,家族の協力が必要不可欠であると言えます。
施設の利用者は自ら意思決定ができない状態においても,介護職員をはじめとする多職種がそれまでの利用者の全体像をよく理解しており,家族とも密なかかわりによって信頼関係を構築することで,家族が納得のいく最期を迎えるケースが多いように思います。
本稿では,私が以前働いていた介護老人保健施設(以下,当施設)での取り組みの中で,多職種で利用者のQODに向き合い,効果的な連携を行うことで生み出されたさまざまな成果と看取りの実際を紹介します。
(この続き:2384文字)
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